子宮卵管造影検査(HSG)とは?痛み・費用・検査後の妊娠率

子宮卵管造影検査(HSG)とは?痛み・費用・検査後の妊娠率

不妊検査のなかで、もっとも「痛いらしい」と噂されるのが子宮卵管造影検査です。検索すると体験談が数多く出てきて、受ける前から不安になる方も多いでしょう。

一方でこの検査は、治療方針を決定づける情報が得られる、きわめて重要な検査でもあります。この記事では、検査の内容、痛みへの対策、そして「検査後に妊娠しやすくなる」といわれる理由を解説します。

子宮卵管造影検査(HSG)とは

子宮の入口から細い管を入れて造影剤を注入し、X線で撮影する検査です。造影剤が子宮腔を満たし、卵管を通って腹腔内へ流れ出る様子を確認します。

わかることは次の3点です。

  • 卵管が通っているかどうか(片側か両側か、どの部位で詰まっているか)
  • 子宮腔の形(子宮奇形、粘膜下筋腫、ポリープ、癒着の有無)
  • 卵管周囲の癒着(造影剤の広がり方から推測)

卵管の通過性を調べられる、事実上唯一の一般的な検査という点で代替がききません。

いつ受けるのか

月経終了後から排卵前まで(おおむね月経開始後7〜10日目)に行います。

この時期に行う理由は次の通りです。

  • 妊娠している可能性がない
  • 子宮内膜が薄く、内腔の状態を正確に評価できる
  • 出血が終わっており、感染のリスクが低い

検査当日の流れ

  1. 内診台に上がり、腟内を消毒します
  2. 子宮の入口に細い管(カテーテル)を挿入します
  3. 造影剤をゆっくり注入します
  4. X線で撮影します(この間、数分)
  5. 施設によっては15〜30分後に遅延像を撮影します

検査そのものは10分程度です。遅延像を撮る場合は、合計で1時間程度みておくとよいでしょう。

遅延像では、造影剤が腹腔内にどう広がっているかを確認します。均等に広がっていれば癒着は少なく、一か所にたまっていれば癒着が疑われます。

痛みについて——正直なところ

痛みの感じ方には大きな個人差があります。

  • 「生理痛程度」で済む方
  • 「かなり痛かった」と感じる方
  • ほとんど痛みを感じない方

痛みが強くなりやすいのは、卵管が詰まっている場合です。造影剤が流れずに子宮内の圧が上がるためです。逆に、通っていればスムーズに流れ、痛みは軽く済む傾向があります。

また、緊張して体に力が入ると痛みが強まります。

痛みを減らすための工夫

  • 鎮痛薬を事前に服用する:検査の30分〜1時間前に内服。多くの施設で対応しています
  • 緊張をほぐす:深呼吸を続け、下腹部の力を抜く
  • 水溶性造影剤を選ぶ:油性より痛みが少ないとされます(施設の方針によります)
  • 不安を事前に伝える:痛みに弱いことを伝えれば、配慮してもらえます

「我慢するもの」と思わず、遠慮なく相談してください。

検査後の注意点

  • 少量の出血が数日続くことがあります
  • 下腹部痛が残ることがありますが、通常は数時間〜1日で軽快します
  • 発熱、強い腹痛が続く場合は受診してください(骨盤内感染の可能性)
  • 造影剤にヨードが含まれるため、ヨードアレルギーや甲状腺疾患がある方は事前に申告が必要です

多くの施設で、感染予防のために抗菌薬が処方されます。

「検査後に妊娠しやすくなる」のは本当か

これは実際に報告されている現象です。検査後の3〜6か月は妊娠率が上がることが複数の研究で示されており、この期間は「ゴールデンタイム」と呼ばれることもあります。

理由として次のような説明がなされています。

  • 造影剤が卵管内の粘液や軽度の詰まりを押し流す
  • 卵管の繊毛の動きが改善する
  • 造影剤が腹腔内の環境に影響を与える

とくに油性造影剤を用いた場合に効果が高いとする報告があります。

ただし、これはあくまで副次的な効果です。検査の主目的は診断であることに変わりはありません。

費用

保険適用で5,000〜8,000円程度(3割負担)が目安です。施設や造影剤の種類、遅延像の有無によって変わります。

卵管が詰まっていたら

片側だけであれば、通っている側からの排卵時に妊娠のチャンスがあります。タイミング法や人工授精を継続することも可能です。

両側が詰まっている場合は、卵子と精子が出会えないため、次のいずれかを選びます。

  • 卵管鏡下卵管形成術(FT):卵管の詰まりを内側から広げる手術
  • 体外受精:卵管を経由せずに妊娠を目指す

なお、卵管水腫(卵管に液体がたまった状態)がある場合、その液体が子宮に逆流して着床を妨げることがあります。体外受精の前に卵管の切除や結紮を勧められることがあるのはこのためです。

よくある質問

Q. 検査が怖くて受けたくありません。
A. 気持ちはよくわかります。ただ、卵管の状態がわからないままタイミング法を続けると、無駄な時間を過ごすことになりかねません。鎮痛薬や麻酔について相談してみてください。

Q. 痛みで検査が中断されることはありますか?
A. あります。その場合は日を改めるか、超音波下で行う通水検査(子宮卵管超音波造影)など別の方法を検討します。

Q. 放射線の影響は大丈夫ですか?
A. 被ばく量はごくわずかで、その後の妊娠に影響する量ではありません。

まとめ

  • HSGは卵管の通過性と子宮腔の形がわかる、代替のきかない検査です
  • 月経終了後から排卵前に行います
  • 痛みには個人差があり、鎮痛薬などで軽減できます。遠慮なく相談を
  • 検査後3〜6か月は妊娠率が上がるとされます

一度受けておけば、その後の治療方針がはっきりします。

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ご利用にあたって

本記事は、不妊治療について一般的な情報をお伝えすることを目的として作成しています。記載している検査・治療の内容や数値は、あくまで一般的な目安です。適応や治療方針は一人ひとりの状態によって異なり、医療機関ごとに方針が異なる場合もあります。実際の診断・治療については、必ず主治医にご相談ください。

また、法制度や公的支援の内容は改定されることがあります。手続きの際は、必ず厚生労働省・お住まいの自治体・各医療機関の最新の公表情報をご確認ください。

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