不妊検査の種類と順番|初診から一通り終わるまでの流れ

不妊検査の種類と順番|初診から一通り終わるまでの流れ

不妊治療の第一歩は検査です。ところが「何をどの順番で、いつ受けるのか」がわからないまま通院が始まり、気づけば数か月が過ぎていた——という声も少なくありません。

不妊検査には、月経周期のどの時期に行うかが決まっているものが多くあります。この記事では、検査の全体像とスケジュールを時系列で整理します。

基本検査は1〜2か月で一巡する

不妊の基本検査は、月経周期に合わせて実施するため、一通り終えるのに1〜2か月かかります。逆に言えば、この期間で二人の状態はほぼ把握できます。

初診でおこなうこと

初診は月経周期のどの時期でも受診できます。

  • 問診:月経歴、既往歴、手術歴、妊娠歴、性交の頻度など
  • 内診・経腟超音波検査:子宮筋腫、卵巣嚢腫、子宮内膜症の有無、卵胞の状態
  • 血液検査:感染症検査(B型・C型肝炎、梅毒、HIV、クラミジア)、貧血、甲状腺機能

初診時に基礎体温表があれば持参しますが、なくても受診できます。

月経周期に沿った検査スケジュール

時期 検査 わかること
月経中(2〜5日目) FSH、LH、E2、AMH、テストステロン 卵巣予備能、PCOSの傾向
月経終了後〜排卵前 子宮卵管造影検査 卵管の通過性、子宮腔の形
排卵前 経腟超音波、E2、頸管粘液検査、フーナーテスト 卵胞の発育、排卵の時期、頸管因子
高温期中期 プロゲステロン、E2 排卵の有無、黄体機能
いつでも 精液検査、抗精子抗体 男性因子、免疫因子

各検査の内容

①ホルモン基礎値(月経2〜5日目)

採血でFSH・LH・E2・プロラクチン・AMHなどを測定します。

  • FSH高値:卵巣が反応しにくくなっている可能性
  • LH>FSH:多嚢胞性卵巣症候群の傾向
  • AMH低値:発育しうる卵胞の数が少ない可能性
  • プロラクチン高値:排卵を妨げている可能性

②子宮卵管造影検査(HSG)

子宮の入口から造影剤を注入し、X線で子宮の形と卵管の通過性を確認します。月経終了後から排卵前までに行います。

不妊検査のなかでもっとも重要な検査のひとつです。卵管が詰まっていれば体外受精が必要になるなど、治療方針が大きく変わります。また検査後の数周期は妊娠率が上がることが知られています。

痛みが心配な方は、事前に鎮痛薬の使用を相談してください。

③精液検査

禁欲期間2〜7日をあけて採取します。精液量、精子濃度、運動率、正常形態率などをWHOの基準値と照らして評価します。

体調やストレスで変動が大きいため、1回の結果で判断せず、期間をあけて2回行うのが基本です。

④フーナーテスト(性交後試験)

排卵直前に性交し、数時間後に頸管粘液中の精子を観察します。頸管粘液と精子の相性を見る検査です。不良の場合は抗精子抗体の検査へ進みます。

⑤黄体期のホルモン検査

高温期中期(排卵の約7日後)にプロゲステロンを測定し、排卵が起きたか、黄体機能が保たれているかを確認します。

必要に応じて追加する検査

基本検査で異常が疑われた場合や、原因が特定できない場合に追加されます。

  • 子宮鏡検査:子宮内膜ポリープ、慢性子宮内膜炎、子宮内腔の癒着
  • 腹腔鏡検査:子宮内膜症、卵管周囲癒着の診断と治療
  • 抗精子抗体検査:フーナーテスト不良の場合
  • 甲状腺精査:TSH、FT4、抗甲状腺抗体
  • 染色体検査:重度の男性不妊、反復流産の場合
  • 精索静脈瘤の評価:泌尿器科での触診・超音波

検査を受けるうえでの心構え

①「異常なし」は良い知らせとは限りません

基本検査で異常が見つからない原因不明不妊は1〜2割を占めます。これは検査で捉えられる範囲に限界があるということです。異常がないからといって、様子を見続けてよいわけではありません。

②結果はコピーをもらいましょう

転院やセカンドオピニオンの際に役立ちます。検査の重複を避けられ、費用も時間も節約できます。

③二人で受けましょう

女性側の検査だけ進めて数か月経ってから精液検査で異常が判明する、というのは避けたい流れです。精液検査は負担が小さく、早期に受けるべき検査です。

よくある質問

Q. 検査費用はどのくらいかかりますか?
A. 基本検査は保険適用となるものが多く、一通りで1万〜3万円程度が目安です。AMHや一部の検査は自費となる場合があります。

Q. 検査中に妊娠することはありますか?
A. あります。とくに子宮卵管造影検査の後は妊娠しやすくなるとされ、検査周期に妊娠する方もいます。

Q. 生理不順で検査の時期が合わせられません。
A. 医師に伝えてください。薬で周期を調整して検査時期を作ることもできます。

まとめ

  • 基本検査は月経周期に合わせて行い、一巡に1〜2か月かかります
  • 子宮卵管造影検査と精液検査は、方針を大きく左右する重要な検査です
  • 精液検査は早い段階で受けましょう
  • 結果のコピーは必ず保管してください

検査は治療の入口であると同時に、二人の現在地を知る手段です。

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ご利用にあたって

本記事は、不妊治療について一般的な情報をお伝えすることを目的として作成しています。記載している検査・治療の内容や数値は、あくまで一般的な目安です。適応や治療方針は一人ひとりの状態によって異なり、医療機関ごとに方針が異なる場合もあります。実際の診断・治療については、必ず主治医にご相談ください。

また、法制度や公的支援の内容は改定されることがあります。手続きの際は、必ず厚生労働省・お住まいの自治体・各医療機関の最新の公表情報をご確認ください。

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